2019/7/5

感動。

警察犬の試験を受けようと思っていたけれど、今年は間に合わず服従の競技会に変更したバーニーズのアイガー君。実は、一昨日飼い主さんがいらっしゃった時に今年は受けないことをお伝えした時に一瞬落胆されたのを私は感じました。飼い主さんは、良いんですよと笑顔で仰っていましたが、そのことをずっと考えていて、自分は本当に創意工夫をして出来るだけの事をしたのかと自問いし、次の日の朝起きる時にも心が曇っていました。
そして昨日、私用で恐縮なのですが、昨年の8月に転んで骨折した母親がその時に全身を検査して鼻の奥、脳の真下に腫瘍がある事が判明し、結構大きく二つ病院へ行きましたが悪性で余命5年と言われていました。その時は、結構ショックで残された時間、出来るだけ思い出を作って行こう。と思っていました。
京都で一人暮らしをしておりましたが、悩んだ末今年の春北海道へ引っ越しをしてきました。
そして、5月頃私は新聞を見ていて、以前からテレビで見ていて知っていたとても有名な脳神経外科の先生のインタビューの記事を見つけました。
その記事を読んだ時、ご自身の医療との向き合う姿などに感銘を受け、泣きながらその記事を読んでいました。
そして、ふとこの先生、北海道にいらっしゃったんだ。と思い、私の母を診て貰えないだろうか、と次の日にダメ元で病院に電話をしてみました。
そうしたら、丁寧に対応していただき必要な資料を揃えて頂ければ、予約を取ることが出来ますと言っていただきました。この事にまずびっくりしたのですが、そうして昨日お昼からお休みを頂き、母を連れて病院へ行きました。
良くテレビで見ている方なので、とても緊張して、きっとこんなに大きな腫瘍で2カ所の病院で無理と言われたのだから、一瞬で診断も終わり相手にもされないのではないか、怖い人なんじゃないか等々と思い、何だか母そっちのけで(笑)緊張し、順番が呼ばれたときには丁度、飲み物を飲んでいて、そのペットボトルの蓋が何故かどうやっても閉まらず(笑)周りの人も見ているし、何でペットボトルの蓋が閉まらないのか恥ずかしくて不思議でしょうがありませんでした(笑)
本当に、このドアの向こう側にあの有名な先生がいらっしゃるのかしら?と思いながら、入ってみると本当にテレビで見るままの先生がいらっしゃり、診察が始まりました。
そしたら、相手にもされないなどという事はなく全く逆で、数え切れない経験から話されている説明は、安心感を受け、腫瘍はある場所は悪い場所だけれど良性で出来ることがこういう風にあると熱心に説明して頂き、その後先生ご自身のお話や時折涙ぐみお話されたり、面白い話をされる姿は、もう驚きを越えて私の心に衝撃を与えました。
深い感銘を受け、心の琴線に触れるとはこの事なのだろうと思いました。
母も終始笑っていて、病院へ行ってこんなに笑って楽しい思いをしたのは初めてでした。
私たちが最後の患者だったようでロビーで待っていると診察室から出てこられその時も、笑顔を向けられて行かれました。
テレビで見るより大きな方で、きっとそれはオーラのせいなのだろうと思いました。
帰り道、そしてその後も胸一杯に広がった感動が冷めやらず、本当のプロというのはああなのだと思い、自分自身の訓練や訓練所の事を考えていました。
今まではまだぬるかった。これからは、もっと技術も知識も高めて犬達にも飼い主さんにも安心して満足して貰えるように努力を積んでいかなければいけないのだと、強く思いました。
プロとして生きるとは、ああいう事なのだと本当に感動し今私はやる気に満ちております(笑)
私の所に来てくれた子達には一頭一頭、大切に誠意を持って取り組んで行かなければいけないと、改めて思い、猛省しておりました。
これから又、必死に頑張ります!
不思議に思い、後からペットボトルの蓋を閉めてみたらすんなりと閉まりました。。。