2017/6/5

負けるということ。

 
今日は、28日の大会の為にお預かりしていたゴールデンのなごが帰って行きました。なごは、訓練が良く入り競技会で勝てると思い出陳をお勧めしてお預かりしたのですが、最後の一科目で痛恨のミスが出てしまい入賞になりませんでした。飼い主さんは、なごの大会をとても楽しみにしていらっしゃいましたが、会場に見にいらっしゃると、もしなごが飼い主さんを見つけてしまったらどうしても気が散り本領を発揮出来ませんので、ビデオに収めておくことをお約束していました。そうして、今日お迎えの一時間前に映像をCDにコピーしようと見てみると、何となごの競技がきちんと撮れておらず、しかも結構出来たにも関わらず最後のミスの部分だけが写っているという情けない映像で、成績が残せなかったうえに楽しみにされていた競技内容さえ撮れておらず、本当に申し訳なかったです。でも、飼い主さんは良いですよ、競技に出られただけで嬉しいからと仰りなごの名前が載った目録と参加賞のTシャツを手に持って帰って行かれました。事務所で飼い主さんが目録とTシャツだけを手に持ち椅子から立ち上がり帰って行かれる姿が何故かいつまでも頭に残り何だか胸が痛いと言いますか、寂しい気持ちになりました。今まで、競技会に出陳していた子達は例えば8頭出陳すればその内の7頭は5席以内に入賞しておりましたので飼い主さんに4席や5席のリボンをお渡しするのも申し訳ない気持ちでいた位でした。それでも、何かしらお渡し出来ていたのですが今回は、リボンすらない状況でそれは他の子もそうだったのですが何故か今日、飼い主さんがTシャツだけを手に持って帰られた姿が幾度となく頭によぎりずっと考えていました。そうして、お風呂から上がりふと思い出したのが、昔尊敬していた世界的に有名な方の名言集の中にあった、2番手には居場所が無いんだ2等賞の赤リボンなんかない、と言う言葉を思い出しました。捉え方によると冷たい印象を受けるかもしれませんが、多分そういう意味ではなく、2等賞でも頑張ったからいいじゃない。という甘えた気持ちをプロは持ってはいけないという意味だと理解していて、そういえば以前はこの言葉が好きで絶対に勝つんだと強い気持ちを持っていたのですが、余りにも力み過ぎて本領を発揮できていないような気がして、最近は普段通り、練習通りにやろうと思って力を抜くようにして競技をしていました。だからと言って気が緩んでいたという事は無く、以前より犬達も私もリラックスして競技が出来ていると思います。ただ、今日始めて先ほどの2等賞の赤リボンなんかない、という言葉の意味が良いですよ、出られただけで嬉しいからとリボンを持たずに帰って行かれる飼い主さんを見送って、プロとして情けないと言いますか、分かったような気がしました。競技に出た子達は、皆一生懸命頑張りました。入賞ばかりをいうわけではありませんが、ただ、この子達を上手に導くのはやはり私の役割が大きいと思います。競技の採点に希求的な動きというものがあります。これは、ただ指示に従うだけではなく楽しそうに生き生きと動くという事です。この子達を、楽しく訓練に導き持っている能力を最大限に伸ばして行く事をもう一度しっかりとやって行きたいと思った一日でした。明日から又、お預かりの子達と頑張ります!そして、今日はもう寝ます(笑)